「否決」は、一つの理由だけで決まるとは限らない
融資では、事業内容だけを見ているわけではありません。
商品・顧客・集客・継続性
お金の使いみち(資金使途)・見積・自己資金
利益・生活費・今ある借入(既存借入)
預金残高・通帳の動き
契約・見積・実績・資料
だから、一つの数字が良くても、別の場所が弱ければ希望どおりにならないことがあります。
私が公庫で0円回答になった時、示された論点は4つだった
ここからは架空サロンではなく、私自身の実体験です。 架空例と実話を混ぜず、否決後の見直しは実際に起きた事実から考えます。
私の場合、公庫から説明された主な論点は次の4つでした。
生活側も含めた返済負担
住宅ローンや生活費などを含めると、新しい借入返済を加えた負担が重いと見られました。
預金の残高と推移
現在の預金だけでなく、通帳上でお金が積み上がってきたかも論点になりました。
将来予定していた別収入
まだ契約が決まっていない仕事の収入は、返済を支える材料としてほとんど見てもらえませんでした。
売上の継続性
小規模事業者向けのサービスを、想定した単価・件数で継続して積み上げられるかに疑問を持たれました。
ここで大事なのは、「事業がダメ」の一言にまとめなかったことです。
まず、「落ちた理由」を3つに仕分けする
理由が分かったら、全部を一気に直そうとせず、次の3つに分けます。
計画・説明・借入額
- 売上の根拠
- 資金使途
- 経費の見積もり方
- 希望借入額
- 不足している裏付け資料
実績・蓄積
- 売上実績
- 顧客・契約実績
- 預金の積み上がり
- 継続した入出金履歴
今ある固定条件
- 住宅ローンなど既存借入
- 毎月必要な生活費
- 過去の通帳履歴
- 現在の家計構造
変えられないものまで無理に良く見せる必要はありません。変えにくい条件があるなら、その条件でも返せる金額へ借入額を調整する、実績を作ってから相談するなど、別の打ち手を考えます。
理由を聞けるなら、「どこが一番大きかったか」を聞く
金融機関が審査のすべてを詳しく説明してくれるとは限りません。それでも、聞ける範囲で理由を確認しておくと、次に何を直すか考えやすくなります。
「どうすれば通りますか?」より、どこが判断上の論点だったかを聞く方が、次の計画へ使いやすくなります。
私が次の相談までに、実際に組み直したこと
公庫の結果を受けて、説明が足りなかった場所と、別の金融機関でも確認されそうな場所を一つずつ見直しました。
生活側まで含むお金の流れを見える化
事業の売上・経費だけでなく、生活費、住宅ローン、税金、新しい融資返済まで月ごとに確認しました。
「何件増える」から、「どこから来る」へ
顧客数だけを書くのではなく、既存のつながり、紹介、講習会など、お客さんが来る入口ごとに売上の根拠を分けました。
預金が減った理由を、資料で説明
一時的な支出があった部分は、口頭だけでなく確認できる資料をそろえて説明できる形にしました。
資金使途をもう一度分解
必要な資金を項目ごとに確認し、何に使うのか、いくら必要なのかをもう一度計算しました。
別収入は「前提」ではなく「補足」に
事業計画そのものが成立するかを先に見せ、別の仕事で得られる収入は、必要な場合の補足材料として分けました。
同じ事業でも、別の金融機関では見られ方が変わった
公庫単独では0円回答でしたが、その後、信用金庫へ相談しました。
融資不可(0円回答)
信用金庫へ相談
公庫は信用金庫と公庫など複数の金融機関が一緒に融資する形(協調融資)として再申請中
さらに驚いたのは、信用金庫側では「もっと減らしましょう」ではなく、資金計画を見たうえで増額方向の提案が出たことでした。
だからといって、公庫の判断が間違いだった、信用金庫なら通りやすい、という話ではありません。金融機関ごとに見る材料・制度・融資の組み方が違い、私自身も途中で計画と説明を組み直しています。
同じ事業でも、どこが弱く見えたのか、別の相手は何を評価したのかを分けて見ると、自分の計画の弱点と強みが見えてきます。
断られた後に、やらない方がいいこと
「事業全部がダメ」と決める
どの論点で止まったのか分けないと、直せる場所まで見失います。
担当者のせいだけにする
説明の伝わり方に差はあっても、まず数字・事実・資料側で補える場所を確認します。
同じ計画をそのまま別へ持っていく
論点が同じなら、相談先を変えても同じ場所で止まる可能性があります。
弱い数字を隠す
預金・借入・生活費などを確認し、どう乗り越えるかを考えます。
見直した後の選択肢は、「再申請」だけではない
融資が難しかった理由によって、次の動きは変わります。
目的は、借りた後も続けられる形にすることです。
一人で直せない時は、申込前の相談を使っていい
公庫には、創業計画や事業計画の見直し・改善(ブラッシュアップ)を相談できる窓口があります。創業計画書のセルフチェックも公開されています。
金融機関へ相談しながら計画を直していく方法もあります。
ゼロから「どうすればいいですか?」と聞くより、「ここをこう直したが、まだ弱いところはどこか」と相談しやすくなります。
私が一度落ちて、いちばん変わった見方
最初の0円回答を受けた時は、当然かなり重く受け止めました。
でも、その後の信用金庫とのやり取りで分かったのは、「融資結果」と「事業そのものの価値」は、同じものではないということでした。
一方で、金融機関から指摘された数字や説明不足を無視してよいわけでもありません。
この切り分けができると、否決の結果から次の計画を直す材料を拾えます。
融資を断られた後の、5つの確認
次へ進む前に確認する
- 何が一番大きな論点だったか、分かっているか
- 今すぐ直せるものと、時間が必要なものを分けたか
- 借入額そのものが大きすぎないか、見直したか
- 売上・資金使途・返済の根拠を追加できるか
- 「借りること」が目的になっていないか
まず5分だけやるなら
断られた理由を、聞いた言葉のまま1つ書く
きれいにまとめようとせず、その横に「今直せる/時間が必要/変えにくい」のどれかを付けます。
理由がまだ分からなければ、「理由を確認する」と書けば最初の一歩は終わりです。
まとめ|「落ちた」で止めず、論点を分ける
否決=事業全部の否定、ではない
ただし、別の金融機関なら自動的に通るわけでもありません。まず、何が審査上の論点だったかを分けます。
聞く
どこが大きな論点だったか。
分ける
今直せる/時間が必要/変えにくい。
直す
売上・資金使途・返済・裏付け。
選ぶ
再相談・縮小・実績作り・借りない。
融資は「通った・落ちた」だけで見るより、どこを直せば事業そのものが強くなるかまで持ち帰ると、結果を次に使えます。
この記事で確認した公式情報
公式情報・確認先を見る
公庫公式では、希望どおりの資金調達ができるとは限らないため複数ケースを想定すること、事業計画書は書き直しながら実現可能性を確認することが案内されています。再相談・再申込の可否や時期は個別事情で変わるため、実際には金融機関へ確認してください。
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