まず全体像|相談から入金までは、この順番で考える
細かい順番は相談先や制度で変わりますが、初心者が自分の現在地を確認する地図としては、次の流れで考えると分かりやすいです。
まず見るのは申込日より、お金が必要になる日です。そこから逆算して動く時期を決めます。
では、いつ相談すればいい?
私なら、開業時期と「何にお金が必要か」がぼんやり見えた段階で、一度相談を入れます。
この段階で、売上予測や創業計画書が完成していなくても構いません。日本政策金融公庫も、創業予定者向けに申込前の相談を案内しています。
相談した結果、必要書類・制度・借入の組み方が変わることがあります。先に全部を完成させるより、早い段階で方向を確認した方が作り直しを減らせます。
見積書はいつ取る? 設備はいつ買う?
パソコン・機械・内装など設備を買うためのお金(設備資金)を申し込む場合、公庫の現行案内では見積書が必要書類に入っています。
つまり、融資で買いたい設備は、まず見積を取って資金計画へ入れるのが基本です。
今回、私が使った信用保証協会が返済を保証する形の融資(信用保証協会付き融資)では、すでに支払っていた備品は融資額に含めない扱いでした。また、設備資金として借りたものは、後から領収書や購入記録などで実際に購入したことを確認する扱いでした。
制度や金融機関で扱いは変わります。融資対象にしたい設備・備品は、支払う前に相談先へ確認しておく方が安全です。
相談したら、申込前に数字と計画を固める
相談先と大きな方向が見えたら、申込の前に、第1〜7回で考えてきたことを一つにつなぎます。
返済できそうかという全体像を確認。
今あるお金と借入を確認。
必要な額と返せる額をつなぐ。
単価×件数と、その根拠を作る。
ここまで考えた内容を申込書類へ書く。
この順番は「必ず記事番号どおり作業する」という意味ではありません。実務では、見積が変われば借入額も変わり、売上予測を直せば返済の見え方も変わります。行ったり来たりしながら固めていきます。
申込|ここで初めて「審査してもらう」段階に入る
公庫ではインターネット申込が利用でき、創業前の人は創業計画書、設備資金なら見積書などを用意して申し込みます。
ただし、申込時に出した書類だけで全部終わるとは限りません。
私の場合も、最初に用意した資料だけでなく、面談後や信用保証協会の確認で資料が追加されました。
面談|申込内容を、資料と会話で確認する
申込後は面談へ進みます。第8回で詳しく見たとおり、私の公庫面談はおよそ1時間。創業計画書と別紙事業計画書を一緒に見ながら進みました。
全部を暗記して答える試験ではありません。大切なのは、自分の数字・事業・前提を理解していて、必要なら資料の場所を示せることです。
面談のあと|追加資料や実態確認が入ることもある
面談が終わったら、その場で必ず結果が出るわけではありません。
金融機関側で審査し、必要なら追加資料や事業所の確認などが入ります。公庫公式でも、店舗や事務所を訪ねる場合があると案内しています。
私の信用金庫ルートでは、信用保証協会側から給与、源泉徴収、開業届、資格変更の進捗、借入残高、不動産登記などの追加資料が出ました。
申込から入金まで、何日かかる?
ここは、固定の日数を覚えない方がいいです。
公庫、信用金庫、銀行などで流れが違う。
保証協会や自治体制度が入ると確認先が増えることがある。
不足資料や個別論点があると往復が増える。
事業開始条件の確認に時間が必要なことがある。
本申請の準備に入ってから数えると約3週間でした。契約手続の翌営業日に、実際に口座へお金が入りました。
最初に単独で申し込んだ公庫では、面談後1週間かからない程度で状況連絡があり、その後1週間以内に最終結果の連絡がありました。一方、信用金庫ルートは複数回の面談、保証協会との確認、追加資料、口座・出資・契約手続まであり、段階が多くなりました。
この約1か月・約3週間という期間は、私の今回の実体験です。標準処理期間ではありません。開業日や支払日が決まっているなら、相談時に「この日までに資金が必要」と伝え、現在の見込み期間を確認するのが確実です。
審査結果が出たら、契約してから入金
公庫の現行案内では、融資決定後に契約に必要な手続を行い、契約手続の完了後に、指定した金融機関口座へ融資金が送金されます。
「承認の連絡が来た日=すぐ使える日」ではない、ということです。契約や口座手続まで含めて、資金が必要な日から逆算します。
私の場合|実際のタイムラインは、こんな感じでした
私自身は、最初に公庫へ単独申請して0円回答となり、その後、信用金庫へ相談先を切り替えました。
ここでは案件を特定できるような細かい日付は出さず、信用金庫ルートで具体的に動き始めてから着金するまでの時間感覚だけを並べます。
最初のルートはいったんここで終了。信用金庫へ相談先を切り替えました。
資金使途や事業計画を見直し、信用金庫300万円を軸に手続を進める形になりました。
必要資料をそろえ、信用金庫を窓口に追加確認・追加資料へ対応しました。
私の場合、お盆時期でも信用金庫は通常どおり業務していて、融資手続も進みました。「お盆だから何週間も止まる」と最初から決めつける必要はありませんでした。
信用金庫側の手続と並行しながら、公庫にも再度相談・申請しました。
融資承認後も、口座作成や出資、必要書類の準備などの事務手続が続きました。
契約書等へ記載・捺印し、その翌営業日に実際に口座へお金が入りました。
今回の信用金庫ではお盆時期も手続が進みました。ただし、土日祝、支店や担当者の勤務、信用保証協会・商工会議所・公庫など関係機関の営業日は別です。必要な日が決まっているなら、担当先へ具体的な予定を確認するのが確実です。
この経験からも、創業融資は「一つの申込フォームを出したら、あとは待つだけ」ではないと分かります。相談しながら、計画・資料・ルートが変わることがあります。
自分の場合は、「お金が必要な日」から逆算する
架空例|一人サロンの150万円を、支払日ごとに分けてみる
これは架空の例です。必要資金150万円の中には、物件の初期費用20万円、内装50万円、設備・備品25万円、開業時の材料10万円、開業後しばらくの家賃・広告・消耗品45万円があります。
物件契約・内装・設備・材料をそれぞれいつ払うのかを書き出し、その前に融資実行が必要なものを分けます。
自分の業種で読み替える
- サロン型:物件契約・内装・設備・最初の材料を、いつ支払うかへ置き換えます。
- 仕入れなしのサービス型:パソコン・ソフト・広告・外注等を、いつ契約・支払いするかへ置き換えます。
- 仕入れあり型:店舗・設備・最初の仕入れ・追加仕入れを、いつ支払うかへ置き換えます。
開業日だけを見るのではなく、最初に大きなお金が出ていく日の前に融資が間に合うかを見ます。
たとえば、店舗を借りる、設備代を払う、最初の仕入れをするなど、事業では開業日より前にお金が必要になることがあります。
この逆算をすると、「この支払日までに融資実行が必要だから、今相談する」という判断ができます。
第1〜9回は、実際にはこの場所で使う
金融機関側の考え方を知る。
相談材料を作る。
入口とルートを考える。
今あるお金を確認。
必要額と返済額をつなぐ。
数字の根拠を作る。
最後に、全部を一枚の予定表にまとめます。
自分の言葉で説明する。
論点を分けて次の判断へ。
第10回は、9本で考えたことを、現実の行動へ変換するための地図です。
まず5分だけやるなら
カレンダーに「お金が必要な日」を1日だけ書く
開業日ではなく、家賃・設備・仕入れなど、最初にまとまったお金が必要になる日を書きます。
日付が分からなければ「要確認」で大丈夫です。そこから相談・申込・面談・審査・契約を逆算します。
まとめ|融資は、「必要な日」から逆算して動く
支払日から逆算して申込時期を決める
必要資金 → 見積 → 相談 → 計画 → 申込 → 面談 → 追加確認 → 審査 → 契約 → 入金、という順番で考えます。
早めに相談
全部完成してからでなくていい。
買う前に確認
融資対象にしたい設備は先払いに注意。
日数を決め打ちしない
ルート・制度・追加資料で変わる。
入金までが準備
承認後にも契約手続がある。
ここまでで、融資について「何を見られるか」から、「自分で書く・話す・見直す・実際に動く」まで一通りつながりました。
この記事で確認した公式情報
公式情報・確認先を見る
公庫公式では、設備資金申込時の見積書、面談での事業計画・資産・借入等の確認、融資決定後の契約手続、契約完了後の口座送金が案内されています。審査期間は案件ごとに異なるため、この記事では固定日数を一般化していません。
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