「でも、どの仕事がAIにできるのか分からない」
最初から分からなくて大丈夫です。「この仕事はAI向き」と仕事を丸ごと分けようとすると難しくなります。
うちで最初に探すのは、だいたい次の3つです。
考えていることはある。でも順番や言葉になっていないところ。
伝える内容は決まっている。でも最初の形を作るところが重い仕事。
複数の案や資料を見比べたり、矛盾・漏れを確認したりする仕事。
そのうえで、仕事の途中にある作業を見ます。
例|お客さんへの返信
「返信する」を小さく分ける
全部をAIに任せる必要はありません。たとえば「伝えたい内容は自分で決める。文章にするところだけAIに整えてもらう」でも、一つの使い方です。
実際、うちでは「なんか分かりづらい」から使っています
たとえば、企業のお医者さんで使っている経営講習会の台本を見直していた時のことです。
第6回の台本を読んでいて、
「全体的に回りくどい」
「受講者に何を気づかせたいのか、非常に分かりづらい」
という違和感がありました。
ただ、この時点では「この一文をこう直したい」まで整理できていたわけではありません。
そこで、その状態のままChatGPTに持っていきました。
「全体的に回りくどい」
「受講者に何を気づかせたいのか分かりづらい」
「分析してほしい」
完成した質問文や、細かい指示書を先に作ってから使ったわけではありません。
一度、普通に失敗しました
ところが、ChatGPTが分析だけでなく、こちらが意図していないところまで台本を書き換えました。
それを見て、実際に「何を勝手に書き換えてる?」となりました。
AIを使えば、一発で仕事が楽になるわけではありません。渡し方が大きすぎると、こちらが触ってほしくないところまで触ることがあります。
そこで、仕事を小さく切り分けました
まず、何を伝えたい回なのか整理してもらう
「この回で受講者に何を気づかせようとしているように見える?」と、台本の目的を外から整理してもらいます。
回りくどい場所だけ探してもらう
いきなり書き換えず、「どこで同じ話をしている?」「どこで話がずれている?」と確認します。
初心者が止まりそうな場所を見る
「経営を初めて学ぶ人なら、どこで何の話か分からなくなる?」と読者側から確認します。
直す場所は人が決め、指定したところだけ文章にする
AIの指摘を見て、実際にどこを変えるかは私たちが決めます。そのあと、必要な部分だけ文章化を任せます。
この仕事では、講習会で何を伝えるか、違和感が正しいか、最後に何を採用するかは人が持っています。
ChatGPTには、長い台本の構造整理、重複や脱線の確認、初心者目線での読み直し、指定した部分の文章化を渡しています。
「でも、お客さんの名前とか売上の数字って、入れていいの?」
仕事で使うなら、ここは先に気になるところです。
最初に試すなら、こうします
- お客さんの名前・メールアドレス・電話番号・住所・口座情報など、なくても相談できる情報は入れない。
- 「山田さん」→「お客さん」、「株式会社○○」→「取引先A」のように、必要なら置き換える。
- 正確な売上額が不要な相談なら、「月100万円くらい」のように丸めても足りるか考える。
- 会社や取引先から「社外に出してはいけない」と決められている情報は、名前を消しても勝手に入れない。
- パスワード・暗証番号などは入力しない。
名前を消せば必ず安全、という意味ではありません。情報そのものが社外秘なら、会社・取引先のルールを優先します。
つまり最初は、「この情報、本当に入れないとできない?」と一度見るだけでも違います。
ChatGPTのデータ設定も知りたい方へ
個人向けChatGPTでは、設定によって新しい会話をモデル改善に使わないようにできます。
通常のチャットで学習利用をオフ:プロフィール → 設定 → データコントロール → 「すべての人のためにモデルを改善する」をオフ。
一時チャット:モデル改善には使われず、履歴にも残りません。安全上の目的で最大30日保持される場合があります。
ただし、この設定をしても「会社の秘密を何でも入れてよい」という意味ではありません。仕事で使う情報は、会社・取引先とのルールを別に確認します。
「でも、AIが間違ったら困る」
その通りです。だから最初から、最後の判断まで渡さなくて大丈夫です。
メール:勝手に送らせず、下書きまで。
経営判断:決めてもらわず、選択肢の整理まで。
調べもの:回答だけで決めず、何を確認すべきか整理するところまで。
最初は、AI=作る・整理する・候補を出す/自分=確認する・決める・送るくらいに分けると使いやすくなります。
意味は合っていても、「この言い方じゃない」は残ります
もう一つ、実際に使っていて感じる限界があります。
ChatGPTは、文章の骨格を作ったり、意味が通るように整理したりするのはかなり得意です。
でも、細かい言い回しや、人が読んだ時の温度感は、最後まで人が見た方がいいと感じています。
実際に文章を作っていて、
「言ってることは合ってるけど、読みたい文じゃない」
「なんか硬い」
「『なるほどー』『そうそう』って感じがない」
となることがあります。
内容として間違っていなくても、言い方によっては上からに見えたり、距離を感じたり、自分たちらしい文章ではなくなったりします。
なので、うちではAI=骨格・整理・候補出し/人=違和感・温度感・最終表現くらいに分けています。
特に、お客さん向けの文章、講習会、SNSのように「どう受け取られるか」が大事な仕事は、正しい文章が出たから完成、とはしていません。
「でも、AIに説明する方が面倒じゃない?」
あります。会社の説明、仕事の流れ、細かい条件を全部書いているうちに、「もう自分でやった方が早い」となることもあります。
なので、うちでは完成した質問を作ってから使うとは限りません。
「この文章、なんか変じゃない?」
「うまく言えないんだけど、こういう感じ」
「これとこれ、何が違うと思う?」
「頭の中ごちゃごちゃしてるから、一回整理して」
こういうところから始めて、出てきたものを見ながら、「違う」「そこじゃない」「そう、それ」と返していきます。
ChatGPTに答えを決めてもらうというより、頭の中にあるものを一度外へ出して、見える形にするために使う感じです。
「有料にしないと試せない?」
ChatGPTには無料プランがあります。機能や利用上限は変わることがありますが、最初に文章整理などを小さく試すために、いきなり有料契約を前提にする必要はありません。
まず無料で一工程だけ試し、「仕事が楽になる」と分かってから、必要なら上限や機能を比較すれば十分です。
「でも、結局自分で全部直すなら意味なくない?」
その通りです。AIを使った結果、説明に10分、直すのに10分、自分でやれば5分なら、その使い方は楽になっていません。
前より楽になった → 次も使う。あまり変わらない → 別の部分で試す。前より面倒 → その使い方はやめる。これで十分です。
その仕事、そもそも必要?
AIを使えば速くできそうな仕事が見つかっても、その前に「その仕事自体を減らせないか」を見る方が先の場合があります。
誰も見ていない資料を毎週作っているなら、AIで5分にするより作らない方が早いかもしれません。同じ内容を何か所にも入力しているなら、AIに入力させる前に入力先を減らせるかもしれません。
「そもそも、この仕事を減らせない?」と思ったら、「忙しいのに仕事が減らない時、まず何を見る?」で4つの見方から確認できます。
いらない仕事を速くするためにAIを使う必要はありません。 必要な仕事だと分かったら、その中の面倒な一部分をAIへ渡せないか考えます。
まず5分だけ
今日の仕事で、「頭にはあるけど整理できない」「文章にするのが面倒」「なんかうまくいかない」と思ったものを一つだけ選びます。
完成した質問を作らず、そのまま一度出してみる
「うまく言えないんだけど、○○したい。一回整理して」
「この文章、なんか分かりづらい。どこで止まりそう?」
「AとBを比べたい。違いを一回並べて」
出てきた答えが違えば、「違う」「そこじゃない」「もう少しこう」で構いません。
そのあと、どこまでAIへ渡すかを決めます。整理だけ、文章化だけ、比較だけでも十分です。
終わったら「楽になった/変わらなかった/面倒になった」のどれかをメモします。「面倒になった」なら、その場所にAIを使わなくていいと分かったことが成果です。
まとめ|AIの機能より、自分の面倒から探す
最初からAIを使いこなす必要はありません。「なんか面倒」「うまく整理できない」という場所から、一工程だけ渡します。
違和感のまま始めていい
完成した質問がなくても、「なんか変」「一回整理して」から始められる。
仕事を小さく分ける
目的・判断まで丸ごと渡さず、整理・文章化・比較など途中の仕事を渡す。
情報を入れすぎない
不要な個人情報・機密は外し、会社や取引先のルールも守る。
最後は人が見る
正しさだけでなく、細かい言い回し、温度感、最終判断まで確認する。
AIを使えたかではなく、前より楽になったかで決めます。うまくいかない使い方は、やめたり渡す範囲を変えたりして構いません。
公式情報|ChatGPTの設定・無料プラン
情報確認:2026年8月27日。製品の設定・利用上限は変更されることがあるため、公開時にも公式情報を再確認します。
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