売上を増やす=新しいお客さんを増やす、とは限らない

売上が足りない時、「客数を増やさなきゃ」と考えるのは自然です。

でも、客数を増やすには、知ってもらう人を増やし、問い合わせや来店を増やし、実際に買ってもらう必要があります。商売によっては、そこにかなり時間や広告費がかかります。

一方で、同じお客さんがもう一度買う、組み合わせを変えて1回あたりの金額が上がる、といった形でも売上は変わります。

「売上を増やす」をそのまま目標にせず、何を増やせば売上が変わるのかへ分けると、次にやることが具体的になります。

売上を3つに分けて見る

一定期間の売上を、まず3つに分ける

01 客数

その期間に買ってくれたお客さんの人数

×
02 1回あたりの単価

1回の購入・契約で平均いくら売れるか

×
03 購入回数

同じお客さんが期間中に平均何回買うか

1人のお客さんが期間中に基本1回しか買わない商売なら、購入回数はほぼ1です。その場合は「売上=客数×単価」と考えれば十分です。美容室・小売・飲食・継続契約など、同じ人が繰り返し買う商売では購入回数も効いてきます。

「リピート」と言うこともありますが、この記事では意味が分かりやすいよう「購入回数」と呼びます。

同じお客さんが、同じ期間の中でもう一度買ったか。まずはそれだけです。

1|客数を増やす

一つ目は、新しく買ってくれる人を増やすことです。

これはSTEP01・02で見てきた集客と直結します。

知ってもらう人を増やす。来てほしい人に届く。自分向けと分かってもらう。必要か判断してもらう。申し込みまで進める。

客数を動かす時に見ること

「もっと発信する」だけで終わらせない

どこから新しいお客さんが来ているのか、その入口を増やすのか、見られているのに止まっている場所を直すのかを分けます。

客数が増えると、その分だけ対応件数・作業時間・仕入れなども増える商売があります。

そのため、お客さんが増えた時は、仕事量や残るお金も一緒に確認します。

2|1回あたりの単価を変える

二つ目は、1回の購入・契約で売れる金額を変えることです。

単純な値上げだけではありません。

商品を組み合わせる。安い商品だけでなく上位の選択肢を作る。必要な内容をまとめて一つのサービスにする。こうした方法でも、1回あたりの売上は変わります。

単価を動かす時に見ること

値段だけでなく、何を渡すかも一緒に見る

価格を変えるなら、お客さんが受け取る内容・価値・手間も一緒に確認します。「売上を増やしたいから値上げする」だけでは判断しません。

会計・お金への乗換

売上を増やしても、残るお金が同じように増えるとは限りません。次は「売上はあるのに、なんでお金が残らない?」で、売上・利益・実際のお金を分けて確認できます。

3|同じお客さんが買う回数を増やす

三つ目は、すでに買ってくれた人が、もう一度買うことです。

毎回新しい人を探さなくても、次に必要になる商品・サービスが自然にあれば、同じお客さんとの取引回数が増えることがあります。

ただし、無理にリピートさせるために不要な商品を勧める話ではありません。

その人に次の困りごとが本当にあるなら、次に使える商品・サービスが分かるようにしておく。それで十分です。

購入回数を動かす時に見ること

「また来て」ではなく、次に必要になる理由があるか

消耗品、定期メンテナンス、継続支援、別の商品など、商売によって自然な再購入の形は違います。そもそもリピートが少ない商売もあります。

同じ売上アップでも、作り方は3通りある

ここでは、架空の一人サロンが開業3か月目に40人×平均8,000円=月32万円まで来たとします。

ここから20%増やして38万4,000円にしたい場合でも、作り方は一つではありません。

架空例|月32万円を38万4,000円へ増やす3つの方法

現在40人 × 8,000円 × 1回 = 32万円
客数を増やす48人 × 8,000円 × 1回38.4万円
単価を上げる40人 × 9,600円 × 1回38.4万円
購入回数を増やす40人 × 8,000円 × 平均1.2回38.4万円

同じ38万4,000円でも、増やすのが「人数」「単価」「回数」のどれかで、必要な仕事は変わります。

「平均1.2回」は、40人全員が1.2回来るという意味ではありません。40人で合計48回来店すれば、平均すると1.2回です。

売上は同じ38万4,000円でも、必要な動きと仕事量は違います。

自分の業種で読み替える
  • サロン型:来店する人数 × 1回の単価 × 来店回数へ置き換えます。
  • 仕入れなしのサービス型:顧客・契約数 × 1件の単価 × 利用・継続回数へ置き換えます。
  • 仕入れあり型:購入する人数・販売数 × 商品単価 × 購入回数へ置き換えます。

どの数字を動かすかで、必要な行動も変わります。

どれを増やしても、仕事量や残るお金は同じとは限らない

ここが大事です。

売上が38万4,000円になる3つの方法があっても、商売への負担は同じとは限りません。

たとえば

  • 客数を増やす:新しい人への集客や対応件数が増える。
  • 単価を上げる:提供内容や価格への納得感を見直す必要がある。
  • 購入回数を増やす:既存客に次も必要になる商品・サービスがあるかを見る。

さらに、売上が増えても、材料費・外注費・自分の作業時間が大きく増えるなら、残るお金は思ったほど増えないことがあります。

だからSTEP03では「売上をどう増やすか」まで。

その売上で実際にいくら残るか、何件売れば大丈夫かは、次の「会計・お金」で見るテーマです。

数字を分けると、集客の打ち手も変わる

私も事業計画や講習会の数字を見る時、売上を一つの金額のままでは見ません。

何件必要なのか、1件の値段はいくらなのか、その件数を本当に対応できるのかまで分けます。

そうすると、「もっと発信しよう」で終わらず、そもそも新規客を増やす必要があるのか、値段や商品構成を見るのか、既存のお客さんとの次の接点を作るのかが変わります。

数字を分ける目的は、どこを動かせば売上が変わるかを見ることです。

自分が次に何を変えるか判断できるところまで、売上を分けるために使います。

自分はどこを動かせそう?

全部を増やそうとすると、やることが一気に増えます。

なので一つだけ選びます。

客数

新しいお客さんを増やす?

入口・発信・紹介・検索・申込導線など、集客側を見る。

単価

1回あたりの金額を見直す?

値段だけでなく、商品内容・組み合わせ・提供範囲を見る。

購入回数

もう一度買う理由はある?

既存のお客さんに次に必要になる商品・サービスがあるかを見る。

「3つあるのは分かった。でも、どれを選べばいい?」という時の目安

全部を一度に動かさず、今いちばん詰まっている場所から一つ選びます。

  • そもそも新しいお客さん・問い合わせが足りない → まず客数を見る。
  • 予約や仕事量はあるのに、売上が足りない → 単価や商品内容を見直す余地がないか見る。
  • 一度買った人がいて、次にも必要になる商品・サービスがあるのに戻ってこない → 購入回数を見る。

どれにも当てはまるか分からなければ、無理に選ばなくて大丈夫です。客数・単価・購入回数のうち、今数字が分からないものを一つ確認するところから始めます。

まず5分だけ

STEP01「集客って、結局何から始めればいい?」で書いた「1本道」の紙があれば、その下に売上の3つを足します。

今の売上を「客数 × 単価 × 購入回数」で一度書く

正確な数字が分からなければ、おおよそで構いません。購入回数がほぼ1なら「客数×単価」だけで大丈夫です。

その下に、「今いちばん動かせそうなのはどれ?」と一つだけ丸を付けます。

丸を付けられなかったなら、それが次に数字を確認する場所です。

まとめ|売上を、動かせる数字へ分ける

売上を増やしたい時は、まずこの3つへ分けます。

01

客数

新しく買ってくれる人を増やす。集客の入口・伝わり方・申込導線を見る。

02

単価

1回あたりの金額を変える。価格だけでなく、内容・組み合わせも見る。

03

購入回数

同じお客さんがもう一度買う。自然な次の需要があるかを見る。

04

次は残り方を見る

売上が増えた後に、仕事量・費用・手元に残るお金がどう変わるかを確認する。

売上を増やす方法に一つの正解はありません。自分の商売で動かせる場所を見つけ、そこだけ変えて結果を見る。その方が、やることを増やしすぎずに改善できます。

ここから先は、自分の困りごとに合わせて

集客・売上シリーズはここで一区切り

売上の作り方が見えたら、次は必要に応じて「その売上でいくら残るか」「いくら売れば大丈夫か」を確認します。

ほかの疑問を探すブログ一覧

会計・お金など、別の経営テーマから記事を探したい方向けです。

ブログを見る →
個別条件を聞くお問い合わせ

自分の商売ではどこを動かすか、一緒に確認したい方向けです。

お問い合わせを見る →
支援内容を確認するサービス・料金

どんな支援があり、どこまで頼めるのかを確認したい方向けです。

サービス・料金を見る →
ページの先頭へ戻る ↑